最高の教師【2話】ネタバレ・あらすじを詳しく!
第2話 背景、傷付いた貴方へ
九条里奈は、夫から離婚を切り出された。
理由を聞いても、一週目の人生同様、ありきたりな返答と「ごめんな」という小さな謝罪のみだった。
休日、友人の勝見夏穂とボーリングに行った帰り、覆面を被った男2人に鞄を奪われそうになる。
どうやらそれは、クラスのいじめの動画を奪いに来たと思われるクラスの男子と思われた。
身長と靴から、容疑者は瓜生陽介と高坂俊二であると割り出した。
週明け、九条里奈と鵜久森叶は約束通り待ち合わせて通学した。
鵜久森叶は言った。
「正直家を出るのは怖かったけど、先生に『やっぱり行きません』とも言いづらくて、自分の為だけだと行かなかったかもしれないけれど、先生のお陰で家を出ることができた。ありがとうございます」
しかし学校では、鵜久森叶の心配とは裏腹に、クラスメイトは全く何事もなかったかのように彼女に接してきた。
その日の昼休み、鵜久森叶は、化学準備室で九条里奈とご飯を食べながら、そのことを報告した。
ふたりは妙な胸騒ぎを感じていた。
事実、その胸騒ぎは当たっていた。
3年D組は、鵜久森叶を除いた全員が〈九条里奈対策委員会〉という名前のライングループで繋がっていた。
そこで、”週明け鵜久森叶には普通に接すること”という指示が出たので、皆それに従っていたのだ。
これ以上、九条里奈にマウントを取られないようにというのがその理由だった。
派手なグループの男女8人は、監視カメラが設置された教室では昼ご飯を食べたくないということで、自分たちとは関係のない工学研究会の部室を占領して昼ごはんを食べていた。
そこには、九条里奈を襲った2人(瓜生陽介と高坂俊二)と、クラスのボス的立ち位置にいる相楽流偉の姿があった。
相楽流偉:
「なんで女教師襲って物ひとつ奪ってこれないかね」
ドラマ「最高の教師」
瓜生陽介:
「そんな言うならお前がやりゃあいいじゃん」
ドラマ「最高の教師」
相楽流偉:
「俺がやったら親が悲しむじゃん。お前んちと違って」
ドラマ「最高の教師」
瓜生陽介は明らかにストレスを受けた様子だったが、顔を反らしただけだった。
みんながウケている中、高坂俊二だけは、瓜生陽介を気にしている様子だった。
―瓜生陽介の家は貧しい。
それなので、瓜生陽介は14歳のときから朝から晩までバイトをしていた。
父親は出ていっておらず、家には浪費癖のある母親と、育ち盛りの弟が2人いた。
母親は、弟たちのご飯よりも高い化粧品を買うことに熱心だった。
その日、瓜生陽介はバイトをひとつ増やした。
そのバイト先は女店長がひとりで切り盛りしている飲み屋だった。
時給が良い上に、その女店長(早乙女智美)も「わたしのことは本当のお姉ちゃんだと思っていいからなんでも頼ってね」と言ってくれる気の良いひとだった。
瓜生陽介はバイト先から帰ると、母親に今月分のバイト代が入った茶封筒を渡して、今月からバイトを増やしたので来月からもっと家にお金を入れられると思うと話した。
母親は気のない返事をして茶封筒の中身を確認すると、バイト代が先月分より少ないことを穏やかではない様子で指摘する。
瓜生陽介が予備校に支払ったと伝えると、母親はすごい剣幕で怒鳴った。
「家の金勝手に使ってんじゃないよ!!」
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「あんた大学行こうとしてんの?弟たちがかわいそうだと思わないの?ねえ!!」
瓜生陽介は責められるがままだった。
翌日。
例のごとく、九条里奈と鵜久森叶は化学準備室で一緒に昼ご飯を食べていた。
鵜久森叶は、瓜生陽介に何かあったのではないかと気にしていた。
なんでも、今朝、登校時に瓜生陽介を見かけたらしいのだが、ガラス窓で何度も自分の顔を確認するその姿が、前日泣いたことがバレないか、自分の顔を何度も確認する自分と同じだったというのだ。
それを聞いた九条里奈は、家庭訪問というていで瓜生陽介の家を訪ねた。
机に並べられた高い化粧品やたくさんの靴や洋服、そして、「問題があればいつでも転校させますんで」などという母親の軽薄な態度が目についた。
そしてある放課後。
鵜久森叶は、学校のラウンジスペースにある椅子に腰掛けていた。
(先生が変えてくれるのを待つだけじゃなくて、自分も変えていこう)
ドラマ「最高の教師」
そう九条里奈にも決意表明していた鵜久森叶は、勇気を出して、クラスメイト(東風谷葵)が帰るところを呼び止めた。
「もし良かったら、わたしと…」
“一緒に帰らない?”
そう言い終わる前に、「東風谷!ごめん遅れて…」と後ろから追いついた東風谷葵の友人(中園胡桃と生田やよい)の声に言葉を遮られた。
中園胡桃は鵜久森叶に気が付くと、良い顔をしなかった。
中園胡桃:
「もしかして、あんたがあの時言ってたみたいに、”誰かと帰る”、て行った希望を叶えようと頑張っちゃった系?
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東風谷今日私たちと買い物の予定だから」
東風谷葵は戸惑っている様子だったが、「行こ」と中園胡桃に声かけられると、さっとその場からいなくなってしまった。
鵜久森叶は終始もごもごしてしまった。
日が沈んでいる。
その日、九条里奈は、バイト帰りの瓜生陽介を呼び止めた。
公園に場所を変えると、「困ってるのではないか」と話を切り出し、家庭訪問に行ったことを伝えた。すると瓜生陽介は逆上した。
「お前何やってんだよ!
貧乏な家眺めて同情でもして声かけてきたのか。
おれは別に家族の為にバイト三昧することイヤと思ってやってねえから!」
九条里奈:
「そのお金、本当に家族の為につかわれていますか」
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「2023年7月18日。あなたの転校の、お別れ会が開かれる日です」
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瓜生陽介:
「頭おかしくなったのか?
うちの親がおかしいことくらい分かってんだよ。
でも弟たちもいておれに何ができるって言うんだよ」
九条里奈:
「そうやってずっと向こうが変わってくれることを、期待して待つんですか?
普段あれだけ大人をバカにしているくせに、
どうして最後の最後、大人は子供をむげにしないと期待ができるんですか?」」
「もし瓜生君が苦しんでいるのなら、親だろうが大人だろうが、我慢しないで言い放っていいんです」
瓜生陽介は、「家族のことがそんな理屈で片付くなら苦労しねんだよ!」と言うとその場から走り去った。
瓜生陽介はその後も走り続け、するとそのまま路地に倒れこんだ。
そこに新しいバイト先の店長の早乙女智美が偶然通り掛かり、明らかに余裕ない状態の彼の姿を見つけると、心配して、「どうしたの?」と声を掛けた。
ふたりは、店終いをしたバイト先に場所を移した。
そこで、瓜生陽介は九条里奈にさっき言われた言葉を思い出した。
「瓜生君が苦しんでいるのなら、我慢なんてせずに正直に言い放っていいんです」
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瓜生陽介は、店長に給料いくらまでなら前借りできるか、思い切って聞いてみるのだった。
数日後。
瓜生陽介は帰宅すると、前借りしたと思われる給料を母親に渡した。
「これ、あのやべぇひとたちに渡して、今年1年、追い出さないように言ってくんねぇかな。
ドラマ「最高の教師」
おれ、今の学校のやつら結構好きなんだよ。
一緒に卒業してぇんだ」
しかし母親にその言葉は届かなかった。
母親は瓜生陽介に感謝を述べた後で、金を自分のことに使おうとしたのだ。
瓜生陽介:
「ちげぇだろ。それは、この家を守る為の…」
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「じゃあ返せよ!」瓜生陽介はそう言って母親から金を奪い返そうとするが、母親に突き飛ばされる。
母親:
「ちょっ金稼ぐようになったら感謝の気持ちも忘れたのか!!」
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母親は、父親が出て行って、それでもあんたたちにご飯食べさせて、学校行かせて、携帯も遊び道具も買ってやったのは誰だとすごい剣幕で息子に詰め寄る。
すると家のインターホンが鳴った。「ピンポンピンポン」立て続けに何回も鳴る。
母親は「今取り込んでいますので」と答えて出ようとしなかったが、九条里奈は「はい、知ってます」と鍵のかかっていないドアを開けると家に上がり込んできた。
親子は戸惑い、母親は警察に電話をかけると言い、瓜生陽介も「話をややこしくしてんじゃねえよ!!」と怒鳴ったが、九条里奈は引き下がらない。
九条里奈は母親を諭すように語りかける。
「瓜生君があなたに我慢しているのは、自分がただお金を稼いでくるだけの存在だと思われているのではないかと恐れているからです」
「なぜ子供が親の顔色をうかがうような状況をつくるんですか。
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一度でも、安心して顔を見て、話しを聞く状況をつくったことはあるんですか」
母親は「いいかげんにしないさい!」とキレる。
九条里奈は続いて瓜生陽介にも語りかける。
「親の教えは確かに大切だけど、わたしの人格を一番に形成してきたのは友達です」
九条里奈:
「だから、友達の意見も聞いてみて下さい」
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九条里奈がそう言ったタイミングで家のドアが開き、高坂俊二が家に上がってきた。
高坂俊二は、出過ぎた真似であることを母親に詫びた上で、通学カバンから、先日働いた日雇い分が入った茶封筒を母親に差し出した。
「これも使ってもらってかまわないんで。
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陽介と一緒に卒業させて下さい。
お願いします」
そして頭を下げた。
瓜生陽介が、こんなことされても嬉しくない、と言って反発すると、高坂俊二は、九条里奈が自分の家に来て、瓜生陽介が金のせいで転校するかもしれないという話を聞いたことを明かした。
そのとき九条里奈に言われた言葉が心に残っていた。
「周りの助力でどうにかできる金額ならば、もっと素直に、助けを求めて良い」
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高坂俊二は瓜生陽介の胸ぐらをつかみ言った。「なあ!かわいそうと思われたっていいじゃねえかよ、大人になって会社入って見返してやればいいじゃねえかよ、だから今はおんぶさしてくれよ」
その様子を見た母親は言った。「良い友達できたんだね」
「なのにごめんね母さん、なんにも知らなくて。
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ちゃんと1年学校通って、ちゃんと卒業してきなさい」
今度は母親に響いたようだった。
高坂俊二は喜びに瓜生陽介を抱きしめたが、九条里奈は瓜生陽介に、「言いたいことは全部言えましたか」と問いかける。
すると瓜生陽介は、タガが外れたように、今まで母親に言えなかった心の内をぶちまけ始める。
なんで母ちゃんが許す側なんだ。
おれの方があんたのしたこと全部を許すわけねえだろ。
なんでおれの家族じゃなくて、知らない男の為に使う金をおれが稼がなくちゃいけねんだよ。
おれはあんたの何なんだ。
おれたちに本当にすまねえと思うなら、一生かけて、許させてみろよ。
その後。
瓜生陽介と高坂俊二は公園のベンチに並んで座って、そこから少し離れたところに九条里奈が立っていた。
瓜生陽介は言う。
「ありがとう。先生のお陰で、言いたいこと言えたよ」
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しかし九条里奈は表情を変えない。「いりません、一時の感傷に浸るお礼など」
「そんなことより、あなた方にはすべきことがあるはずです」
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翌日の放課後。
鵜久森叶は、学校のラウンジの椅子に腰掛けてクラスメイトを待っていたが、誰もやって来ないので、ため息をついた。
そこに瓜生陽介と高坂俊二がやってきた。
そして、そこで待っていても無駄だと告げた。
高坂俊二:
「今朝SNSのグループで、お前かわす為に、裏口から帰るように全員にお達しが出てたから」
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そう…ですか、と鵜久森叶は言うと気を落とした様子で席を立って、帰ろうと歩を進めた。
その背中を瓜生陽介が「悪かった!」と呼び止めた。
瓜生陽介:
「お前にしたこと許してもらえるなんて思っていないけど、本当に、申し訳ない」
ドラマ「最高の教師」
ふたりの頭を下げての心からの謝罪に、鵜久森叶は驚いた様子で、目を丸くして固まっていた。
高坂俊二が、これから一緒に瓜生陽介のバイト先に顔を出さないか、と鵜久森叶を誘う。
鵜久森叶は戸惑うが、「駅までで良ければ」と誘いを受ける。
3人の雰囲気が柔らかくなる。
瓜生陽介のバイト先。
そこには、早乙女智美(店長)の他に、九条里奈と勝美夏穂がいた。
早乙女智美は瓜生陽介と高坂俊二に、実は3人は同級生で、瓜生陽介をバイトに誘ったのも、九条里奈にお願いされたからだったと明かした。
瓜生陽介と高坂俊二は、九条里奈が昔の同級生3人で楽しそうに話す姿を、好意的な様子で見つめていた。
九条里奈の自宅。
九条里奈はダイニングチェアに腰掛けており、旦那が帰宅すると、「大事な話があるの」と声を掛けた。
そして、向かいの席に座った旦那に、「今までカッコつけていたけど、わたし離婚したくない。ほんとはやだ」と本心を打ち明けた。
すると旦那はうつむいて、おかしそうにふっと笑っだ。
「初めて聞いた気がする。里奈のそういう感じの言葉。
ドラマ「最高の教師」
分かった。ちょっとだけ考えてもいいかな。
偉そうな意味では決してなくて」
九条里奈が久々に見た彼の笑顔だった。
九条里奈は、この日を境に前回の人生より夫婦生活が少し呼吸がしやすくなったことを感じた。
しかし状況が良くなったと思ったのも束の間、教室の黒板には、九条里奈へのさつ害予告が書き出された。
これは前回の人生にはなかったものだった。
瓜生陽介と高坂俊二の3年後のスピンオフがある
瓜生陽介がその後、高校卒業後にちゃんと大学に行けたのか、気になります。
実は、瓜生陽介と高坂俊二の3年後に出会うことができます。
日テレさんの面白い試みですね▼
瓜生陽介は私立の大学に行っていて、経済学部の3年です。
高坂俊二も一緒です。
相変わらず仲良しです。
最高の教師【2話】感想
感想は、とにかくみなさんの演技がうまく、引き込まれたということです。
松岡茉優さん顔かわいいな、と思ってみていました。
松下洸平さんもカッコいい。
鵜久森叶が友達とニコニコするのも楽しみですが、九条里奈がニコニコするのも楽しみになりました。
今回は山時聡真さん演じる瓜生陽介にスポットライトが当たった話でしたが、演技が上手いです。
山時聡真さんは今話題の「君たちはどう生きるか」主人公眞人の声を演じていることもあって、注目を浴びていました。
顔も似ているような…。
九条里奈が生徒からの信頼を集めていく姿や、鵜久森叶がクラスメイトと和解していく姿がとてもいいです。
みんなの感想
芦田愛菜ちゃんがとにかく素敵すぎる
脚本毎回すごいな…
子供が親に許さない、て言ってくれてスッキリ!
瓜生陽介演じている人すごい!