このページでは、
日本シナリオ作家協会が、
2024/1/29に投稿した後に削除した動画内容(ラジオ番組)を、
文字起こししました。
動画タイトル:
【密談.特別編】緊急対談:原作者と脚本家はどう共存できるのか編
(YouTube【シナリオ作家協会チャンネル】公式)
日本シナリオ作家協会が削除した動画の出演者
- 黒沢久子
- 伴一彦(ゲスト)
- kizaki
- さの
脚本家の皆さんです。
日本シナリオ作家協会が炎上:黒沢久子の「会いたくない」他・その理由とは
黒沢久子の「会いたくない」とは?なぜ炎上?
シナリオ作家協会の「会いたくない」が、現在サジェストワードになっています。
これは、日本シナリオ作家協会の黒沢久子さんの発言ですが、大変批判を浴びています。
「会いたくない」というのは、原作者に、という意味になります。
これがなぜ炎上しているかというと、
原作者を軽視している
ように感じられるから、
というのがその理由です。
この言葉は、
『セクシー田中さん』の原作者・芦原妃名子さんが、
亡くなられた当日に発されました。
その為、世間もいつも以上に敏感に反応したものと思われます。
現在、黒沢久子さんの「会いたくない」が主に、パワーワードとして拡散されていますが、
その前後の文脈は、次の通りです。
他の脚本家メンバーも、
この発言には思わず言葉を失っていたように見受けられました。
私は原作者の方に会いたくない派なんですよ。
【密談.特別編】緊急対談:原作者と脚本家はどう共存できるのか編
私が対峙するのは原作であって、原作者の方はあんまり関係ないかなって。
仮に思っていたとしても、口に出すことは中々できないでしょう。
口にしてしまえば、その後炎上することは、容易に想像がつきそうなものです。
しかし黒沢久子さんにとって、
「会いたくない」「関係ない」といった発言は、原作者軽視に繋がっているという感覚が恐らくなかったのでしょう。
原作の映像化作品において、脚本家と原作者には同等の権利が与えられるということです。
こういったことから、例えば原作が自身の作品になったような感覚になるものでしょうか。
映画は小説及び脚本に創作性を加えてできた著作物(二次的著作物)であり、映画の利用に伴い、小説家と脚本家は映画製作者と同じ権利を持ちます。なお、小説と脚本の関係も同様です。
https://copyright-qa.azurewebsites.net/Qa/0000176#:~:text=A.,%E3%81%AE%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%82%82%E5%90%8C%E6%A7%98%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
黒沢久子さんが原作者に会いたくないと思う理由については、もしかしたら過去の経験が影響しているかもしれません。
というのも、黒沢友子さんは過去に原作者と意見がぶつかったことがあって、それで原作者に「ちょっとうちで話しましょう」と呼ばれたときのことが苦い記憶として残っているようです。▼
そこで意見がぶつかって、「ちょっとうちで話しましょう」みたいな、呼び付けられて「なんかあなたって本当私の原作のこと全然分かってないわね」みたいなことを言われてたこともありましたけど
【密談.特別編】緊急対談:原作者と脚本家はどう共存できるのか編
しかし考え方によっては、原作者が、わざわざ時間を割いてくれて、自身に原作のことを伝えようとしてくれた、ととらえることもできそうです。
黒沢久子は原作者をリスペクトしていない?
仮に、黒沢久子さんが本当に原作者をリスペクトしていないとすると、
それはなぜなのでしょうか。
それは、憶測にすぎませんが、
動画を見た限り、
・自分もオリジナル脚本を書けるし書きたい、という気持ちが強くある
からなのではないかと感じました。
というのも、黒沢久子さんが番組の中で繰り返し強く主張していたのが、
・脚本家もオリジナルを書けるし、書きたい
ということだったからです。
なぜそのような主張を繰り返したのかというと、恐らく、『セクシー田中さん』の一件で、世間から脚本家に対して、
「原作に頼らず、自分でオリジナルを書け」
といった批判が集中した為であると思われます。
しかし脚本家からしてみれば、
・オリジナル脚本は書けるし書きたい
・しかし企画が通らない
(※企画が通らないのは、制作側の、売れている原作を実写化したいという思いが強い為。なぜかというと、①実績のある原作はファンもついている為安心感がある、②役者も役作りがしやすい、③配信サイトが原作物を求めている、といった理由からだそうです。)
というフラストレーションがあり、
オリジナル脚本を書きたいにも関わらず、
書けないと思われるのは悔しい、という思いがあるようです。
伴一彦さんも、
「僕はあの条件(原作を忠実に再現してほしい)を付けられたらやらないなと思ったんですよね」
だってそのただあの紙に書いてあるものを映像に取りやすいように書くだけ、ていう作業になっちゃうじゃないですか。
【密談.特別編】緊急対談:原作者と脚本家はどう共存できるのか編
作家性は必要ないわけじゃないですか。我々の。
と述べており、
脚本家の「原作をより良いものに作り変えていきたい」という創作意欲のようなものが伝わってきます。
原作ファンでもない限り、
脚本家にとって、原作を自由に自分の作品に作り変えていけることの方が、
楽しく、やりがいも感じられるということではなきでしょうか。
黒沢久子さんも、
「原作は原作、映像化は映像化で全く別物なのでもうご自由にどうぞ、出来上がりを楽しみにしています」
【密談.特別編】緊急対談:原作者と脚本家はどう共存できるのか編
というタイプの原作者も少なからずいると語っており、
そちらの方がやりやすいようです。
「原作を忠実に」というタイプについても、特異であると述べています。
また、トレースするだけになってしまうと、
脚本家が育たなくなり、
文化が縮小していく、という危機を感じているとのことです。
これらの理由から、「原作に忠実に」という原作ファンの要望が高まることは、脚本家にとって、決して喜ばしいことではないようです。
脚本家も、(すでにそうしている方もいますが)オリジナルを書きたいということであれば、大変ですが、まずは原作から執筆することが近道なのかもしれません。
宮崎駿監督も、映画を撮る為に、漫画『風の谷のナウシカ』を描きましたよね。
動画を投稿するタイミングも炎上
先述しましたが、
シナリオ作家協会の動画が投稿されたのが、
芦原妃奈子さんが亡くなられた当日でした。
黒沢久子さん自身、このタイミングにこの内容の動画を投稿することは、「なかなか勇気のある決断だった」と述べています。
しかしその話している様子や内容が、
本人の心中は定かではありませんが、
楽しげであったり、不謹慎に感じられたりした為、批判の対象となっています。
結果、日本シナリオ作家協会がこの動画を削除する運びとなりました。
日本シナリオ作家協会【動画(深夜密談)内容文字起こし】
▼シナリオ作家協会【動画(深夜密談)内容文字起こし】